時間管理(タイムマネジメント)はロックでどう歌われてきたか?

新年、2017年が明けての目標は個人をしっかり訴えていこう、ということで、本サイトもアップしたのですが、なかなか記事を書き続けるのもしんどいです。目標は、週に1本の記事アップでしたが、それもままならない状態です。
ちょっと、目線を変えて、今回と言うか(今日は)趣味的なところでお茶を濁します。
標題の通りです。

筆者は、とても音楽好きなので、特にハードロック好きなのですけれども、「時間」というテーマに絞って、そんなテーマを歌っている楽曲を紹介しながら、社会批評を重ねていくという趣旨です。

Time〜PinkFroyd『Dark Side Of The Moon(邦題:狂気)』より

まずは、“ロックの名盤”とお題が与えられたら、言わずと知れたPinkFroydの『狂気』から。アルバム中ではもっともロック・ソングっぽいTimeです。実は、10代20代にはPinkFroydはあまり好きではなく、熱心に聴いたのは『The Wall』くらいでしたが、40歳を過ぎ、いまや50の声を聞くことになって、とにかくPinkFroydは心に染み入るなぁ、と感じています。
そもそも、彼らはそういう音楽を創ろうとしていましたから、まさに狙い通りということなのでしょう。

このアルバム『狂気』の説明について延々と語ることは止めますので、不明な方はWikiPediaなり他サイトで参照ください。原題が「月の裏側に潜む闇」とある通り、「人間の暗黒面」を音楽で捉えようとした「コンセプトアルバム」ということになります。「世界で最も売れたアルバム」とかギネス記録を持っていたり、とにかく名盤扱いをされるので、若いロックビギナーなどが「じゃあ聴いてみようか」と買って聴いてみても、いわゆるポップソングがないので「なに、これ?」で聴かなくなるということもいまだにあるはずです。

彼らが、こうしたコンセプトを持つに至ったきっかけももちろん存在していて、バンドメンバーのシド・バレットというギター&シンガーが本当に狂人になってしまったというリアルな経験が元になっています。

早速、Timeの歌詞を見てみましょう。

Ticking away the moments that make up a dull day
You fritter and waste the hours in an off hand way
Kicking around on a piece of ground in your home town
Waiting for someone or something to show you the way

Tired of lying in the sunshine staying home to watch the rain
You are young and life is long and there is time to kill today
And then one day you find ten years have got behind you
No one told you when to run, you missed the starting gun

ここまでは、
怠惰な生活をしている「You」に対しての怒りとも焦りとも思える言葉が吐き出されています。
重要なのは、
「ある日10年もの歳月がお前を通り越していったことに気づく」
「いつ走ればいいか、誰も教えてくれなかったし、スタートのピストル合図も聞き逃した 」
という言葉でしょう。

続いて、
And you run and you run to catch up with the sun, but it's sinking
And racing around to come up behind you again
The sun is the same in the relative way, but you're older
And shorter of breath and one day closer to death

Every year is getting shorter, never seem to find the time
Plans that either come to naught or half a page of scribbled lines
Hanging on in quiet desperation is the English way
The time is gone the song is over, though I'd something more to say

ここでは、
焦りがさらに迫り切実になり、怒りを伴って語られます。

遅ればせながら、太陽に向かって走り始めたが、
一年の長さはどんどん短くなり、“Time”を見つけることは不可能に思えてくる
「静かな絶望」の中で待ち続けている、という言葉にとても印象づけられます。

スタートを誰も教えてくれなかった
チャンスを待っているがいつ現れるかわからない
というようなことは、誰にもあてはまる「時間」があるのではないでしょうか?

最後に一言だけ。
アルバム『狂気』は、このアルバムを通して一つの作品でもありますので、今回「Time」だけを取り上げましたが、未聴の方はぜひアルバムを通して聴いてみてください。
ノイズだけの曲(ミュージックコンクリート)なども数曲ありますので、ヒット曲満載とは違う言わば文芸的な音楽世界がそこにあります。

Time waits for no one〜The Rolling Stones 『IT’s Only Rockn’Roll』より

ちょっと、PinkFloydに文字量割き過ぎたかもしれませんが、次はストーンズです。
この、『たかがロックンロールさ』というアルバムタイトルがお気に入りだったこともあり非常によく聴いた曲です。
若干説明を加えると、ミック・テイラー在籍最後のアルバムかつこの曲はミック・テイラーが随分貢献しているとのちのち語られたいわくつきの曲です。

Yes, star crossed in pleasure the stream flows on by
Yes, as we're sated in leisure, we watch it fly
And time waits for no one, and it won't wait for me
And time waits for no one, and it won't wait for me

Time can tear down a building or destroy a woman's face
Hours are like diamonds, don't let them waste
Time waits for no one, no favours has he
Time waits for no one, and he won't wait for me

Men, they build towers to their passing yes, to their fame everlasting
Here he comes chopping and reaping, hear him laugh at their cheating
And time waits for no man, and it won't wait for me
Yes, time waits for no one, and it won't wait for me

Drink in your summer, gather your corn
The dreams of the night time will vanish by dawn
And time waits for no one, and it won't wait for me
And time waits for no one, and it won't wait for me
No no no, not for me....

このタイトルになっているフレーズは、
英語のことわざに由来するとも解釈されますが、
「時間は誰も待ってくれない」という意味になります。

この曲では、
ニヒルというか虚無的になったり懐疑的になるさまが歌われています。
言ってみれば、ブルースに由来するストーンズらしさがある曲と言ってよいのでしょう。
この曲はミック・テイラーの名演に注目です。

Blue,Red and Grey〜The WHO『The Who By Numbers』

The WHOは、筆者がもっとも好きなバンドです。
人気はあまりありませんが、『Who’s By Numbers』というアルバムからの選曲です。
これは、かつては邦題が「ロックンロールゲーム」となっていて、まったくの意訳なんですが結構気に入っていました。ついでに言うと、筆者が10代の頃はThe WHOのアルバムは廃盤ばかりで手に入れるのが非常に大変でした。普通に売っていたのは、『Tommy』と『Who’s Next』くらいでしたから。
最近は、若い世代にもThe WHO ファンが増えたそうで、もともとThe WHOは日本では売れないと言われていたのですが、いまの若い世代を含めた売上が、それまでの国内売上を上回っているそうです。

さて、この曲ですが、ウクレレ伴奏の楽曲です。

Some people seem so obsessed with the morning
Get up early just to see the sun rise
Some people like it more when there's fire in the sky
Worship the sun when it's high
Some people go for those sultry evenings
Sipping cocktails in the blue, red and grey
But I like every minute of the day

I like every second, so long as you are on my mind
Every moment has its special charm
It's alright when you're around, rain or shine
I know a crowd who only live after midnight
Their faces always seem so pale
And then there's friends of mine who must have sunlight
They say a suntan never fails
I know a man who works the night shift
He's lucky to get a job and some pay
And I like every minute of the day

I dig every second
I can laugh in the snow and rain
I get a buzz from being cold and wet
The pleasure seems to balance out the pain
And so you see that I'm completely crazy
I even shun the south of France
The people on the hill, they say I'm lazy
But when they sleep, I sing and dance
Some people have to have the sutlry evenings
Cocktails in the blue, red and grey
But I like every minute of the day

I like every minute of the day

タイトルになっている色名はカクテルの色だということがわかるわけですが、
この曲の主題は「癒やし」です。
だからこそのウクレレ伴奏なわけですが、背景としてこのアルバム制作当時のThe WHOは訴訟や解散危機などに直面していたことも反映して内面的な曲になっているなどとも言われています。

2009年に、ボーカルのロジャー・ダルトリーがトミー全曲ライブツアーをやっていて、このコンサートの最後が、ロジャー一人で歌うこの曲でした。これがまた感動的でありました。