「タイムカード」を再点検〜問われ続ける「生産性」の意味を理解する

タイムカードの機能は十分理解されているけれど

従業員の出退勤管理の方法なら、「タイムカード」がすっかり定着しています。朝の出勤時と夕方の退社時にカードを通すことで、勤務時間が記録・集計されて残業時間を含めた1ヶ月間の給料が算定されることになります。
「働き方改革」「残業●時間まで」と語られ続けているのも、この残業時間を含めた労働時間の統計が元ネタになっています。働くことの意味や働きがいということは、言わずもがなのことでもあるので、ここでは触れずにおくけれども、あまり進まない大事なポイントが「労働の質」ということなのだ、と言葉にすれば多くの共感を得られるところ。
本稿では、この「労働の質」=生産性という点について、考えてみます。

事業や業種によっても異なるでしょうが、職種によって「仕事の質」を見きわめる指標はさまざまなのだろうと大雑把には誰もがわかるはず。
例えば、営業社員ならば、一日に訪問した件数、あるいは電話をした件数~成約件数までが細かく評価されることになるだろうし、デザイナーなど制作担当者ならプロジェクトの進捗指標があるだろうし、エンジニアでも処理したイシューの数で測ることができるかもしれません。
過去に取材訪問した工場では、ラインで働くパート社員にも一時間ごとの作業効率や不良品を出した件数などがコンピュータで管理・評価されて、翌月の時給や勤務時間数を変動させる仕組みを導入していたことを思い出します。
そういえば、ユニクロのアルバイト等級制はまさにそのような仕組みで考えられていたものでしょう。同様にファーストフードなど外食系のアルバイトにも同様の仕組みで動いていますね。

居酒屋などのアルバイト管理は、これ以外に「熱気(情熱?)」というかエモーショナルなマネジメントという異質な手法が混じっているようにも思いますので、ここには加えません。

年収が上がらない時代というのに、年収100万時代なんて冗談じゃない!!

『年収300万円時代を生き抜く経済学』という書籍がベストセラーになり、当時から「現実はもっと厳しい」などという声も上がっていました。この本の著者森永氏はその後『大不況!!年収120万円時代を生きる』なんて書籍も出版しています。

具体的な数字を並べると、憂鬱にもなってきますが、
2017年、ちょうど17日に総務省統計(2016年度)が発表されました。
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm
2016年度の要点をわかりやすくまとめると、
現在の若者(学生と主婦を除く15歳~34歳)のうち5人に1人は、正社員にならずアルバイトやパートで生計を立てている「フリーター」(155万人)となっており、その平均年収は106万円という水準。
これは正社員の平均年収(387万円)と比較すると大幅に低い。
また、上記の数字には35歳以上の「フリータ」の人数は含まれておらず、過去に社会問題にもなった派遣切り等で職につけない35歳以上の対象者が相当数存在する(統計上は9%程度)ことも念頭におくべきです。
一方、労働力として大きなウエイトを示す「パート」労働力についても言及が欠かせないところ。
平均年収は ほぼ100万円、というのも、いわゆる「103万の壁」が存在するからにほかなりません。
※年収データについては、別途統計資料を参照

企業は不況が続く中で防衛行動をしてきた。個人も同様に動かなければ

長い不況が続く過程で、多くの企業は業務の効率化を進めてきました。
よくあるコールセンターのIT化などもわかりやすい例でしょう。
あらゆる事業分野で、それまで正社員でなければできなかった難しい仕事をマニュアル化してアルバイト・パート社員に担当させることが可能になっています。

従業員の能力や生産性を細かく数値管理することの延長線上に、「コンピテンシー(competency)」という概念が喧伝されるようになっています。人事におけるコンピテンシーとは、有能な社員の「仕事を上手にできるコツ&ノウハウ」をデータ化・分析して、優れた仕事のやり方を「会社の資産」化・マニュアル化しようとすることと同義です。

そう書いていて思い出すのは、
リクルートとトヨタの合弁会社に「OJTソリューションズ」という企業があります。
この会社は、トヨタの40年に及ぶ現場経験と管理職としての人材育成スキルをもつトレーナーが、現地現物で現場改善を指導するという事業目的の上に設立された会社ですが、設立当時のメンバーは一緒に企業を回っていた営業メンバーでもありました。
この会社設立は、長い不況に突入する頃だったと思います。さすがに目のつけどころが鋭いなと感じます。

話がそれましたが、
「有能な社員」「劣った社員」を的確に見つけだし、指導することは、タイムカードによる勤務管理だけではできません。特に、最近は労働体系の多様化によって正社員、派遣社員、アルバイト社員、在宅社員、外部のアウトソーシング会社の社員などが混在しながら同じ業務に関わるケースも増えてきています。

そのためのツールはあるのでしょうか?
TimeCrowdは、タイムカード以上の価値をそもそもの設計思想に含んで開発しています。
https://timecrowd.net/
まず、試してみてください。

個人の生産性を高めていくには、ナレッジワーカーを志向してみること

本稿の趣旨は、企業の生産性ではなく、あくまで個人のそれを目的としています。
そう考えて思い浮かぶのは「ナレッジワーカー」という言葉です。

ナレッジワーカーという言葉には「企業に対して、プログラムされたタスクではなく、知識により付加価値を生み出す労働者のこと。期待された成果に基づいて自分で行動できる者」という意味がある。つまり、知識(ナレッジ)はプログラム化されてしまった時点で標準的なものとなって商品価値を失ってしまうという点で、高度な知識(新しい技術や顧客獲得の方法)を常に新しく生み出していく姿勢が肝心だということでもあります。
わかりやすい日本語にすれば、「ずっと勉強し続けること」を忘れてはいけないということではないでしょうか。
筆者は、この分野に携わり始めてからずっと、そう意識して仕事を続けています。